緋色の魔女に恋をした



それから…振り返った先には、



「まるで闇夜に輝くレッドベリルのように」



会いたくて仕方なかった翡翠の姿がそこにはあった。



「ど…して、ここに…」



うそ…なんで、どうして翡翠がここにいるの?



「どうしてって僕が“ジェイド”だからだよ」

「…翡翠が、ジェイド…?」



大魔女様のご子息だっていうの…?

そんなことありえない、だって翡翠は人間で、呪われた子だと母親に捨てられて……まさか。



「ごめんね、9年も騙して」



___…私は出会った時から彼に騙されていた。



「騙していたって、どうして…どういう事ですかッ」



この場で何もわかっていないのは私だけで、きっと私は見事その罠に嵌ってしまったのだろう。


仕掛け人はもちろん目の前にいるこの2人。

主犯は翡翠で、協力者は大魔女様ってところだろう。



「最初は騙すつもりはなかった。私は止めたんだよ、この息子を」



呆れたような顔をして息子である翡翠ことジェイドを見た大魔女様。
翡翠は可愛らしくテヘッと舌を出してみせた。


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