翠玉の監察医 Lasting Night

「協力させてください」

「全力を尽くすよ。君の調査の手助けをする」

蘭と星夜がそう言うと、緊張していたような圭介の顔にようやく笑顔が戻った。

コーヒーを三人は楽しみ、村へ行く日を話し合って決めていく。宿泊施設は残念ながらないそうなので、圭介の実家に泊まらせてもらうことに決まった。

「友達に村に行く日を教えてきますね」

そう言い、圭介はスマホを手に一旦カフェから出て行く。その様子を見た後、星夜は真剣な目で隣に座る蘭を見つめた。

「蘭、危険なことが起きたらすぐに逃げるんだ。僕が必ず守るから」

「ありがとうございます。しかし、逃げるかどうかはその時の状況によりますし、星夜さんだけに戦わせるわけにはいきません」

普通の女性ならば、好きな男性に守られることにドキッと胸を高鳴らせるだろう。しかし、蘭は違う。大切だからこそ、自分も相手を守りたいのだ。

「この考えだけは決して譲れませんし、このことに関しては星夜さんの気持ちを尊重することはできません」

そう言う蘭の頭を星夜は優しく撫でる。その様子をこっそり見て、「お似合いカップルめ〜」と圭介は笑うのだった。