運命の一夜を越えて
「髪の毛食ってる。」
突然伸びて来た大きな手に、私は驚いてラーメンをすする途中でむせてしまった。

私が結んでいた髪が少しほどけて、口元に来ていたらしい。

瀬川渉はその髪をおさえてくれた。

「んっ・・・ごほっ・・・」
驚いてすすっていたラーメンが変なところに入ると、瀬川渉は笑いながら私の背中を遠慮せずにバシバシとたたく。

「大丈夫か。慌てんな。ゆっくり食べろ?」
違うわっ!突然触ってきたからびっくりしたんだよ!と突っ込みながら私は差し出された水を飲んだ。

まだ私の背中をたたいている瀬川渉の手。
その手が温かい。

ダメだ。

私は心の中の自分が慌ててストップをかける声が聞こえた。
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