運命の一夜を越えて
「私すっごく幸せ」
「うん」
「こんなに幸せな時間は今まで生きてきて初めて。」
「うん、俺も。」
「最近家事をサボっちゃって本当に申し訳ないけど。」
「そんなことない」
「渉と結婚してよかった。」
「うん」
立ち止まったまま渉にそう言ったのは、心の奥から聞こえて来たからだ。


今しか言えない。

そんな言葉が聞こえたからだ。


「おいで」
立ち止まっていた私にいつもの穏やかな微笑みを見せる渉。
両手を広げて私を呼ぶ。
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