運命の一夜を越えて
そして・・・

新年を迎えて少ししてから、私たちは週末に会う約束をした。

体調も万全な状態で、私は前日に高級なパックまでしてしまった。


『明日、10時に家の前まで迎えに行くから』
「うん」
すっかり敬語を使わなくなった私たち。
『あー今夜は眠れないな』
「どうして?」
私だって眠れないと思いながらも、渉に悟られたくなくてそっけない返事を返す私。
『緊張すんだろ。好きな人とデートすんだぞ?今から気合入れて明日の服とか用意してるんだからな』
「女子みたい」
実は私だってベッドの上に明日着ていく服を並べている。まだどれにするか決められてない。
『バカにすんなよ?実は彩も同じだったりして』
「そんなわけないでしょ」
口で嘘をつきながら、鋭い渉の言葉に焦った。
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