誰よりも近くで笑顔が見たい
上原くん……。
まだ、集合時間前なのに……。
「蘭」
近くに行こうと、一歩踏み出すと上原くんがスマホから顔を上げて私に気づいてくれる。
「お待たせ……」
そう言うと、上原くんは優しく笑って立ち上がる。
「まだ時間前だから」
そう言うけど、上原くんの手が赤い。
よく見れば、顔も赤いかも。
いつから、待ってたんだろう。
「手、寒そう……」
「これくらい、平気。サッカーの時なんか感覚なくなるし」
上原くんは、そう言うと、歩き出した。
私もあとについていって、隣に並ぶ。
手、繋ぎたいなあ……。
ポケットに入れられてしまった手を見る。
繋ぐ気、ないみたい。
「あ、そうだ」
上原くんは、思い出したように立ち止まる。
私も一緒に立ち止まると、上原くんがポケットから手を出す。
まだ、集合時間前なのに……。
「蘭」
近くに行こうと、一歩踏み出すと上原くんがスマホから顔を上げて私に気づいてくれる。
「お待たせ……」
そう言うと、上原くんは優しく笑って立ち上がる。
「まだ時間前だから」
そう言うけど、上原くんの手が赤い。
よく見れば、顔も赤いかも。
いつから、待ってたんだろう。
「手、寒そう……」
「これくらい、平気。サッカーの時なんか感覚なくなるし」
上原くんは、そう言うと、歩き出した。
私もあとについていって、隣に並ぶ。
手、繋ぎたいなあ……。
ポケットに入れられてしまった手を見る。
繋ぐ気、ないみたい。
「あ、そうだ」
上原くんは、思い出したように立ち止まる。
私も一緒に立ち止まると、上原くんがポケットから手を出す。