誰よりも近くで笑顔が見たい
「ああ、こいつ、体調悪いの全然わかんねーから大丈夫。蓮、預けてもらってもいいかな?」


そう言われ、上原くんをその人に預けると私も2階の部屋に案内される。


「ここ、蓮の部屋だからちょっと待っててもらえる?」


そう聞かれ、頷くとその人は上原くんをベッドの上におろして、1階へ降りていった。


上原くんは、息が荒くて苦しそう。


「蘭……」


上原くんの口が動いて、私の名前を呼んだ。


「ごめん、熱なんか、出して」


その言葉に胸がきゅうっとなった。


泣きそうな時になる、あの感じに似てる。


「無理、しないで……」


私の言葉が届いたのか、上原くんはちょっとだけ穏やかな表情に変わった。


「蓮、寝たのか?」


ガチャっとドアが開いてさっきの人が入ってくる。
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