誰よりも近くで笑顔が見たい
冬休みが終わって、1週間ほどが経った。


いつも通り今日も、中庭でお弁当を食べてる。


でも、なのちゃんも杉本くんも上原くんもみんな用事があって、今はいない。


杉本くんと上原くんは、そんなに時間はかからないらしいけど、なのちゃんはお昼休み全部潰れるって嘆いてた。


だから、今は一人でお弁当を食べてる。


「あれ、蘭ちゃん?」


少しさみしさを感じた頃、後ろから声がした。


「柊さん」


「学校でちゃんと会うのは初めてだね」


制服姿の柊さんのネクタイは、3年生の色。


「そう、ですね」


「いつも、1人なの?」


柊さんは、少し心配そうに私を見る。


「いえ、いつもは、上原くんと……。友達、と」


「そっか。じゃあ、安心した」


「ありがとう、ございます」
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