優しい『君』とおちていく

七瀬が検査してるときは落ち着きがなかった。

結局、左腕左足を骨折しただけで済んだらしい。

意識も戻っている。

死ななかったのは良かったけど骨折もダメじゃん!


「七瀬。」


「ん?」


「私のせいで……、ごめんね?」


「唯愛は悪くないよ。俺が好きに庇ったんだから。」


「ありがとっ……」


「ってか俺さ、両親亡くしたって言ったんだけど本当は殺されたんだ。」


「っ―――」


そうだったんだ……


「俺って死んだ方がいいのかな……?」


そう寂しく笑う君は私に聞いた。
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