最後の悪夢
「ありがとう。私一人じゃ、死んでたね」
死んでいたらどうなっていた?
凛上が合宿に参加しなかったらどうなっていた?
私は合宿で勉強するつもりだった? 本気で。
巻き返せないものは捨てる覚悟でいた。体育の成績なんて正直どうでもいい。他の教科で補えば、って、変に欲を出した自分が馬鹿みたいだ!
でも、そんなこと、絶対に誰にも言えないけれど。
店を出て快晴の下、風鈴の音が響く。
冷たい風に風鈴は似合わない。
ああ、でも、凛上には風鈴が似合いそう。
「誰だって死にたくないでしょ。そばに……置いて、って、そっちが頼んだんだし。頼まれたからにはさ、そばに置いとけるように努力するよ」
凛上は私と目を合わさいうちに、早口でそう言った。気のせいかな、照れているみたい。