最後の悪夢

「ありがとう。私一人じゃ、死んでたね」



死んでいたらどうなっていた?
凛上が合宿に参加しなかったらどうなっていた?

私は合宿で勉強するつもりだった? 本気で。

巻き返せないものは捨てる覚悟でいた。体育の成績なんて正直どうでもいい。他の教科で補えば、って、変に欲を出した自分が馬鹿みたいだ!

でも、そんなこと、絶対に誰にも言えないけれど。



店を出て快晴の下、風鈴の音が響く。
冷たい風に風鈴は似合わない。

ああ、でも、凛上には風鈴が似合いそう。



「誰だって死にたくないでしょ。そばに……置いて、って、そっちが頼んだんだし。頼まれたからにはさ、そばに置いとけるように努力するよ」


凛上は私と目を合わさいうちに、早口でそう言った。気のせいかな、照れているみたい。
< 140 / 456 >

この作品をシェア

pagetop