最後の悪夢
鬼から逃げたためまたすぐに人の気配は消えた。と、同時に私の個室にかかっていた鍵が開けられて。
「あなたの勝ちですよ」
ドアの前には女性が立っていた。
涙が止まらなかった。ただひたすらに、よかった、って。それだけが私の中でいっぱいだった。
「よく思い付いたね? あなた賢いでしょ」
「たまたまです。……運ですよ」
【清掃中】
私がプレートに書いた文字。
このプレートのかかっている30分は誰も入らないだろうと思っていた。
勝負は残りの30分。清掃が終わったため入りやすいという空気を作る。
勿論サービスタイムの間にプレートを見ていた人が、プレートがなくなったことに気づいたらの話だった。
完全に運だ。