最後の悪夢
マイクが手渡される様子を遠くから、私は見ていた。
「筆記用具や教科書はいりますか?」
「いりません。こちらで……用意します」
「わかりました」
勉強するのにその道具もいらないのか。
なんでもかんでも揃えてくれるなんて、親切なんだなあ。
それから少し口頭での質問の時間がとられ、説明は終了した。
具体的な時間設定もしおりに書いてあったから、大丈夫だろう。
教室に戻ると、複数人が帰って来た私達を見て「すごい」とでも言いたげな目をしていた。