最後の悪夢



そう。

「――――」



この時の衝撃は、まるで頭を殴られたかのようで、立っている地面が崩れ落ちたみたいで。

響き渡ったその名前に、私は一瞬理解が追い付かなかった。

「では残りの5人はステージの方へ」そう言われてすぐに足が動かなかったのは、私だけではなかったはず。
選ばれたのは、自分では、なかったけれど。

「質問、いいですか」


誰もその場から動かないでいたら、先ほど名前を呼ばれた人物が、静かに手を上げた。隣を見る。と同時に彼は、顔面蒼白で蚊の鳴くような声で呟いた。


「俺は............なんで、ダメなんですか」




――凛上。
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