赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


「なるほど。基本が大切なんですね」

「はい。色んな勉強法がありますけど、体を壊しては元も子もないですから」



まず何よりも体が資本。お医者さんらしい健康的な答えだ。


穏やかな顔を浮かべている先輩と潤くんだけど…………やっぱり潤くんだけ、本心で笑ってないように見える。

どうしてだろう……?



雑談会が終わり、潤くんと一緒に帰路に就く。



「え? 嫉妬?」

「うん」



この2週間、何度か3人で話したのを観察したところ、千冬と話している時と比べると、あまり楽しくなさそうだった。

楽しくないのなら図書室で時間潰すほうがマシなのに、どうして毎回参加するのかが不思議で不思議で。


もしかしたら、友達を取られたくない嫉妬の気持ちから参加してたのかなと思って聞いてみた。

けれど……。



「俺、そんなに怖い顔してた?」

「いや、そこまでは。なんとなくそう思っただけ」

「マジか……風花って鋭いんだね」
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