赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


だって、20位と5位だよ? 対して自分は53位……。


200人以上いる中でこの順位は上のほうなんだけど、こんな高成績を目の当たりされたら……。

この程度のレベルで喜んでるなんて……って、急に恥ずかしくなっちゃった。



「雨村さんはどれくらいでしたか?」

「えっ、と……私も今回調子良くて、上中下の上でした」

「おお〜っ。おふたりとも優等生ですね」

「いやいやそんなぁ。あはははは〜」



自分だけ成績が低いのを悟られないよう、笑って誤魔化す。


ちなみに千冬は25位。
彼いわく、体育の実技が自信なかったとのこと。

それでも私と倍以上の差がある。
理数系が強いからそこでカバーしてるんだろうな。



「ありがとうございます。5位ってすごいですね。普段どのように勉強してるんですか?」



にこやかに質問を投げかけた潤くん。

あ、これは……先々週見た、輝きゼロの眼差しだ。



「そうですねぇ、僕の場合は睡眠時間を削ると調子が悪くなるので、寝る時間は確保しています。あとはしっかり食べることと、休憩時間を取ることですかね」
< 131 / 316 >

この作品をシェア

pagetop