赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―

作戦の十三夜月

†††



「ひゃー! なにその甘々展開は! ヤバい! 胸ギュンがヤバいよ!」



その数日後の登校日。ホームルーム開始前。

これまであった潤くんとの出来事を柚季ちゃんに話すと、案の定興奮し出した。



「胸ギュンって……そういう柚季ちゃんも、レオさんとデートしたんじゃないの?」

「したけど、風花には負けるよ~! デートはもちろん、夜這いと告白だよ⁉ しかも2人き……」

「わぁぁぁ! その言い方やめてよぉぉ!」



教室中に響き渡るくらいに声を上げて彼女の声を遮った。


もー! また変な想像して! 朝からなんてこと言ってるの⁉

潤くんは狼じゃないんだから! ただ起こそうとしてただけなのに!



「ごめんごめん。でも安心した。夜城くんもちゃんと男の子だったんだなって」

「ちょっ……!」

「それで、何て返したの?」



ニヤついた顔で尋ねられて、数日前の夜を思い出し、カーッと顔が熱くなっていく。
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