赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


「そのまま話す……できるかな」



初対面の人で、なおかつ年上の人の相談に乗るのは人生で初めて。

上手く助言できるのか、ちゃんと務まるのか不安なんだ。



「大丈夫だよ。上手く言葉が出てこなくても、話を聞くだけでも充分。それだけでもかなり荷が下りると思うから。誠心誠意気持ちを込めて伝えればきっと届くよ」



背中を押してもらって、少し肩の力が抜けた。


緊張するけれど、最初は怖かった吸血も、先月には腕から吸血させることができるくらいにまで成長したんだ。

2人で食事しに行って、一緒に遊びにも行って、男性恐怖症もだいぶ克服したと思う。


ここを乗り越えたら、また1つ成長できて、自信がつくかもしれない。



「……ありがとう。頑張ってみる」



†††



「雨村さん、こんにちは」

「こんにちは……」



精神を整えること数日。いよいよ相談の日がやってきた。

沢村先輩と図書室の外で待ち合わせし、いざ中へ。
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