赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


少し不安を抱く私に、先輩はその友人の写真を何枚か見せてくれた。


新淵(しんぶち)さんという彼は、涼しげな目元が特徴的で、一見クールで近寄りがたい雰囲気。

だけど、笑った顔はあどけなくて可愛らしい印象だ。

笑顔とのギャップが潤くんと似てるかも。



「こう見えて彼女にゾッコンなんですよね。ノロケ話の時は毎回顔をニヤつかせています。なので気楽に話せると思いますよ」

「そうなんですか?」



へぇ、ニヤニヤしちゃうんだ。

この凛々しい顔立ちからは想像できないけど、彼女さんの話をする時は、こういう風に笑ってたりするのかな。


そういえば、潤くんも時々こんな風に笑うっけ。

誠実な性格も似てるし、リラックスして話せそう。

だけど……。



────
──



「アドバイスかぁ。風花が思ったことをそのまま話せばいいと思うよ」



放課後の校舎裏。

不安が抜けきれなかった私は、吸血終わりに潤くんに相談してみた。
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