赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―

口づけの秋月

†††



夏服に別れを告げて、合服の期間に入った10月。



「ねぇ柚季ちゃん、こういうのとかどう?」

「お、いいね! オシャレじゃん!」



昼食後。

柚季ちゃんと一緒に、図書室でデザイン集をチェック。

何をしているのかというと、来月に行われる文化祭に向けての準備をしている。


2年3組はカフェをやることに決まり、私と柚季ちゃんはそのポスター作りを任されたのだ。



「これけっこう細かいね。風花は絵は得意?」

「んー、普通。美術3だし」

「私もー。でも頑張れば描けそうじゃない?」

「そうだね。色を少なくすればいけるかも」



固まってきたイメージを下描き用の紙に描いていく。


文化祭は中間テストが終わった後の文化の日に行われる。

まだ1ヶ月弱あるけれど……そうのんびりはしていられないんだ。


なぜなら……。



「あ、そうそう、今年の文化祭のチラシも、吸血鬼クラスの生徒が担当したんだって。こないだ職員室で、吸血鬼の人が絵を持ってたの見たんだよね」
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