赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


放課後。

昼休みに中断した吸血を再度しようと、学校が終わってすぐ集合し、私の家へ。

学校だと人目が気になるから、「せっかくならゆっくり話せる場所がいい」ってワガママを聞いてもらったんだ。



「え⁉ 最初から起きてたの⁉」

「うん。起きようとしたらちょうど風花が入ってきてさ」



床に腰を下ろすと、いきなり暴露し始めた潤くん。

私が急いで保健室に駆けつけた時、本当は目が覚めていたけれど、顔を合わせるのが気まずかったため寝たフリをしていたらしい。


そういえばあの時、返事するように好きって言われたっけ。

つまり……。



「告白もビックリしたけど、まさかキスされるとは思わなかったよ」

「……ごめんなさい」



私が勝手にキスしたのも知っていたということ。

笑って許してくれたけど、恥ずかしさというより申し訳なさすぎて顔を上げられない。


両想いだったとはいえ……勝手にファーストキスを奪ってしまったんだから。



「いいよ。狸寝入りしてた俺も悪いんだし。……俺も昔、風花に同じことしてたから」
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