赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
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「ただいま」

「お邪魔します」

「お邪魔しま~す!」



自転車を走らせること15分。和式の平屋の家に到着した。

靴を脱いで上がり、おじいさんとおばあさんがいる居間へ足を運ぶ。



「おじいちゃんおばあちゃん、連れてきたよ」

「こんにちは……」



潤くんの後ろからひょっこり顔を出して、恐る恐る挨拶をした。



「おぉ、風花ちゃんに千冬くん。よく来たねぇ」

「あら久しぶり~。大きくなったね~」



2人ともニコニコ笑顔で迎えてくれて一安心。

千冬と一緒に事前に買った手土産を渡し、潤くんの部屋へ。


幼稚園以来の潤くんの部屋……!
どんな部屋なんだろう?


千冬達の家に何度も遊びに行ったことがあるので、男の子の部屋に入るのは初めてではない。

なのになぜか、ワクワクしている自分の中に、ちょっとドキドキしている自分がいる。


これも相手が潤くんだからだよね。

だって千冬の部屋に入っても、ワクワクもドキドキも感じないもん。
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