素直にさせないで
「よーし!!じゃ小学校最後の席替えだ!!最後くらいは好きな席に座らせてやるか!!」
教壇の前で気前よく担任が笑うと、
「おっしゃぁああっ!!」
体のデカさからか二人分の椅子を使う不破は大暴れをしている。
「不破・・、言っとくけどお前は後ろの席しか選択肢ないからな・・」
どこに座られても迷惑でしかないその座高に担任は釘を指すも、聞いちゃいない。
「不破さんどの席にしますか?」
「不破さん」「不破さん」
子分達は不破と緻密な会議を始めてる。
「ららっ!!てめぇは俺様の世話するんだから隣だからな!!」
「・・・私はあんたの隣以外ならどこでもいいんだけど・・。」
うんざりと言った面持ちで返事すると、
「ほらー!女子は廊下出て、男子は教室残れー!」
先生は女子を廊下に出して、締め切られた中で男子は席を決めるお見合い方式のようだ。
「これなら、不破君と隣になる確率低いね。よかったじゃん。らら」
瑠菜がそういうと、
「ん。しかし、これが小学校最後の席替えかぁー。なんか実感わかないなぁ。」
明日も明後日も、ずーっとこの小学校に来ているような…、
廊下から見える体育館に部活が始まれば、バスケを見に行く…それがあと2ヶ月で終わるんだ。
そう思うと不思議な感覚だ。