契約夫婦のはずが、極上の新婚初夜を教えられました
 彼の大きな背中を見ていたら知らぬ間に足の震えも止まっていて、私の中にある大吾さんの存在が少しずつ大きくなっていることに気づく。
 
 そんなことに気づいたって、どうしようもないのに……。
 
 それでもこれからの生活を思うとワクワクする自分もいて、笑顔のまま大吾さんのあとを追った。

「はぁ、スゴイ……」

 玄関ですら凄かったのだからリビングも……とは思っていたけれど。

 リビングに足を一歩踏み入れると、何畳分あるのかわからない広さに感嘆の声を漏らしてしまう。ここだけで、前に住んでいたアパートの部屋がすっぽりと入ってしまうほどの広さだ。
 
 あまりにもレベルが違いすぎて、驚きを通り越してもう笑うしかない。これは慣れるのに時間が掛かりそうだ。
 
 大きな窓からは見たことのないような景色が広がり、見上げれば雲に手が届きそうなほど空が近い。部屋の中を見回すと生活になじむような白を基調にした家具が揃えられていて、居心地のいい空間に心が和んだ。



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