【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約
ルネリアは、きっとメアロード領に出発して、到着直後に引き返すことになるか、もしくは到着して三日経たずで帰ってくるか、そのどちらかだ。しかし自分の仕事が見つかったと目を輝かせ、あまつさえ自分たちに感謝する彼女に、酷なことを言える人間はいない。紹介所の面々は彼女が戻ってきたとき、せめて温かく迎え入れようと心に留め、祝福をしたのだった。
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それから五日経った朝、ルネリアはメアロード領へと出発した。領までの馬車は、メアロードの手配した辻馬車で向かうこととなり、彼女は紹介所の面々に見送られながら発った。
崖を下り、山を登り、何度も大橋を超え馬車に揺られること十日。
とうとうルネリアはメアロード領へと到着した。領内は紹介所の主が話をしていた通り、王都と独立した都が築き上げられていて、周囲が山々や崖に囲われている以外は、王都と寸分変わらないような景色だ。
そんなメアロード領の街を抜け、ルネリアは地図を頼りにメアロード家の城へと歩いていく。