ふりむいたら君がいました
出会い
ミンミンミンミン

暑い暑い暑い

とにかく暑ーい‼︎

何分待てばいいの?!


私は今、人生初の告白とやらをされている途中だと思う。

目の前にいるのは名前も知らない他のクラスの男の子。

汗ダラダラ垂れてるしさっきから何度も深呼吸してる。

私が思ってた告白ってもっと、なんて言うかロマンチックできゅんきゅんするものかと思ってた。

キーンコーンカーンコーン

あっ、予鈴鳴った。

「あのー、そろそろ戻ってもいい?一限始まっちゃうし」

相手の男の子は初めて顔を上げた。

「えっ!ちょ、ちょっとまって下さい」

すーーーはーーーーーー

大きな深呼吸。

「入学式で見た時から好きでした!」

「俺と付き合って下さい‼︎」



深々ときちんとしたお辞儀。

でも、

「ごめんなさい」


名前も知らない人と付き合うとか考えられないし、今恋愛する気もない。

男の子は相当ショックを受けたのか涙目になって走って行ってしまった。

キーンコーンカーンコーン

やば、一限遅刻だ。

こうして私の人生初の告白は終わった。

改めて考えると少し恥ずかしい。

好意を伝えられるのは悪い気はしない。

どうして私なんか好きになったんだろう?

もっといい人は周りにいるはずなのにな。


そんな事を考えながら急いで教室に向かった。




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