一夜の奇跡は真実の愛を灯す～副社長の甘い誘惑に溺れて～

『水瀬ちゃん。あれから、副社長から連絡はあるの？うち、4月は特に忙しい時だからね。いろいろと…』


『そうですよね。連絡は…はい、入社させて頂いてから2度程お電話頂いて。後、メールはたまに。忙しいけど、体に気をつけて頑張れって』


『副社長がそんな言葉を…？』


ちょっと驚いた顔をする波山さん。


『どうかしましたか？』


『あ、うん。副社長ってね、普段はかなり厳しい人なのよ。社員に対してはなかなか笑顔を見せないし。まあ、怒鳴ったりするわけじゃないけどね。常に冷静沈着。仕事に対しては超ストイック』


『そ、そうなんですか？』


『そうよ。だから、副社長がいる時は、ちょっと…みんなピリピリするかな。それだけ…真剣なのよね、何事も。だから…水瀬ちゃんに掛ける言葉が優しいなって』


バイオリンを弾いてる時の麗央さんは、確かに真剣そのものだったな。


でも、弾き終わった後は…


とても優しい顔だったから…