一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
決して、傲慢になったり、人を見下したり…そんなことはしない人。


だからこそ、私みたいな人間にも優しく出来るんだろうな…


仕事のことも目をキラキラさせて熱く語ったり…


何だか…


話してるうちに心がポカポカして来て、自然に緊張がほぐれていくのがわかった。


告白は…


やっぱりないけど…


それでも、麗央さんの人格に触れて確信した。


私のこと…


体だけが目的で近寄って来たんじゃないって。


そんなちっぽけな男の欲望より、大切にしたいものが、この人にはたくさんあるんだろうって…そう思う。


しっかりした考えを持った素晴らしい人なんだと…


私達は食事も会話も、全てにおいて満足して店を出た。


乗って来た車まで歩いて戻っていたら、


『水瀬さん?』


背中の向こうから聞き覚えのある声がした。


振り向くと、そこにいたのは山科さんだった。
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