一夜の奇跡は真実の愛を灯す～副社長の甘い誘惑に溺れて～

『だから、そば屋なんかに2人で行ったら瑠奈さんが…』


そう言った瞬間、龍聖君が私をキツく抱きしめた。


え…？


何が起こったのか、一瞬、わからなかった。


でも、その数秒後、龍聖君のサッカーで鍛えた体の感触に…私の心臓が高鳴り出した。


『少しだけ…こうしてたい』


龍聖君の声…


大学時代に聞き慣れてるはずなのに…


どうしてこんなにドキドキするの？


『…瑠奈さんがいるのにこんなの…ダメだよ。大切な彼女を…泣かせたらダメじゃない』


『俺は最低だ。自分がどんなに卑怯なやつか、今、思い知ったよ。俺は…瑠奈と付き合ってるのに、やっぱり桜桃羽のこと忘れられない。だからって、こんなこと…ダメだよな』


そう…だよ…


こんなの二股かけてるのと同じだよ…


『俺は、瑠奈と別れる。お前が好きなのに瑠奈といることは…もう無理だ。めちゃくちゃ勝手だけど…このままなのはあいつに申し訳ないから』