余命38日、きみに明日をあげる。
莉緒の余命が38日だと言って現れ、それを延命させるために、俺の前にトーヤが現れたんだろう?
俺にしか叶えられない願いだったから。
根底を覆すことを言われ、頭がついていかない。
「あのリストに書いてあったのは……」
ナオの声が震える。見たこともない、とても絶望した目。
──ドクンッ。
嫌な予感がした。
待ってくれ──
喉元まで出かかった言葉は、それよりも先に発されたナオによって完全に押し戻された。
「……琉生さんの、名前、だったんです……」
頭の中がグワンと揺れた。
俺の名前が……?
目の前が真っ白になり、体中がしびれてくる。
「なんで先輩は、莉緒さんの名前が書いてあるだなんて言ったんでしょう……。意味が分からないですよっ」
ふらふらっと足が後退した。
俺……?
じゃあ、死ぬのは……俺、なのか……?