余命38日、きみに明日をあげる。

3組のうちのクラスには、4組の女子がやって来ていた。

「倉木さんは走らなくていいからうらやましいなあ」
 
突然私の名前が聞こえ、「え?」と反応する。

それは4組の星野(ほしの)佑香(ゆうか)さんの声だった。
 
誰が見ても可愛く、スタイル抜群、男子からも人気で、クラスカーストでは頂点に立っているような子。
 
一緒いた女子たちも同調する。

「いいよねー。私もちょっとは病弱な体に生まれたかったなー」

「こういうとき得だよねえ」
 
きっと悪気はないのだろう。心底マラソン大会がいやな上の発言。

あまり話したことはないけれど、いつも私が体育の授業を見学しているのを見て、そんな言葉が出たのかもしれない。
 
だけど。
 
私だって、好きで見学しているわけじゃない。

できることならマラソン大会に参加したい。
 
でもそんなことを言ったら、空気を悪くするのは分かっているので、あいまいに笑った。
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