余命38日、きみに明日をあげる。

もし、自由に走り回れる体があったら、同じことを言っていたかもしれないんだから。
 
結局はないものねだりで、その立場にならないとわからないことなんてたくさんあるのだ。

過去に運動会でも同じ思いをしたことがある。
 
もちろん競技には参加できなかったけれど、先生がそれなりに参加させようとしてくれた。

救護係、放送係、得点板係……すべて、係仕事だけれど。

『いいなー、莉緒はずっと日陰の中に居られて』
 
するとそんな風に言う子もいた。

確かに炎天下の中での競技や応援はつらいはず。

でも、私は汗をいっぱいかきながらクラスが団結する姿を見てうらやましかった。

唯一参加できたのは、全学年で行われるフォークダンス。

高学年にもなると、みんないやいややっていたけれど、私はすごく楽しかった。
 
彼女たちの話はまだ続いていた。
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