君のブレスが切れるまで
私はバスタオルを受け取ると、顔を隠した。動揺する表情を見られたくないからだったと思う。
一人で脱ぐには辛い。固いローファーの中の足先は痛みを通り越して感覚が無い。
いや、本当は痛いのだろうけど今は慣れているだけだ。何か別の……そう、触れられたりしたら、もっと痛いはず。もちろん片足でなんか立てないだろう。
それよりだ、なんでそんなことを聞いてきたのか。極力バレないように歩いていたはずなのに。……いや、バレてても仕方ない。この子は心を読むとは違うかもしれないけど、観察力がすごいのかも。
「いい。自分で脱げる」
吐き捨てるように言った。そしてバスタオルを突き返す。それに対して彼女は特に難色を示すことなく、答えてくれる。
「うん、わかった。それと入れるならお風呂に入った方がいい。シャワーしか使えないけれど……濡れた服のままだと、風邪引くわ。もし手が必要なら――」
そこまで言うと、彼女は口を噤んだ。
お風呂でも手を貸すなんてことを言おうとしたのだろうけど、それは余計なお世話だ。同年代の女子にでも裸を見られるのは抵抗がある。だって私の体は……。
「……シャワーもらう」
「ええ」
でもなぜこの子は口を噤んだんだろう。私が体を見られたくないと思ったから? それとも私の体に痣があるってことを感づいたから?
まさか……ね。
一人で脱ぐには辛い。固いローファーの中の足先は痛みを通り越して感覚が無い。
いや、本当は痛いのだろうけど今は慣れているだけだ。何か別の……そう、触れられたりしたら、もっと痛いはず。もちろん片足でなんか立てないだろう。
それよりだ、なんでそんなことを聞いてきたのか。極力バレないように歩いていたはずなのに。……いや、バレてても仕方ない。この子は心を読むとは違うかもしれないけど、観察力がすごいのかも。
「いい。自分で脱げる」
吐き捨てるように言った。そしてバスタオルを突き返す。それに対して彼女は特に難色を示すことなく、答えてくれる。
「うん、わかった。それと入れるならお風呂に入った方がいい。シャワーしか使えないけれど……濡れた服のままだと、風邪引くわ。もし手が必要なら――」
そこまで言うと、彼女は口を噤んだ。
お風呂でも手を貸すなんてことを言おうとしたのだろうけど、それは余計なお世話だ。同年代の女子にでも裸を見られるのは抵抗がある。だって私の体は……。
「……シャワーもらう」
「ええ」
でもなぜこの子は口を噤んだんだろう。私が体を見られたくないと思ったから? それとも私の体に痣があるってことを感づいたから?
まさか……ね。