政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「なにを言って……。この短期間に変わってしまうような軽い気持ちなんでしょ? そんな人が軽々しく零士さんと一緒にいたいなんて言わないで!」

 さっきまで敬語で話していたのに、興奮しているのかタメ口で声を張り上げた。

「私はずっと零士さんのことが好きだった! やっと私に振り向いてくれたと思ったのに、凛々子さんがいるから別れを切り出されたわ。凛々子さんさえいなければ、零士さんは私と結婚するはずだった! 私のほうが絶対零士さんに相応しいのに……っ」

 笹野さんの悲痛な叫びに胸が締めつけられる。

 ここまで感情を露わにするのは、それだけ笹野さんは零士君に本気だからだと思う。

「凛々子さんは零士さんに愛されていると、自信を持って言えるの?」

「えっ?」

「私は零士さんが凛々子さんを愛しているとは思えない。だってこれまでのふたりからは想像もできないから。凛々子さんの片想いなんでしょ? ずっと零士さんは凛々子さんに冷たかったもの」
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