政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
 千鶴ちゃんが帰った後、ふたりで手分けをして片づけを済ませると、順番に入浴。

 そしてベッドに入るや否や、零士君は眉間に皺を刻んだ。

「なぁ、凛々子。どう思う? 千鶴のこと」

「どう思うって……頑張ってほしいと思うよ?」

 思っていることを言うと、零士君の眉間の皺はますます深くなる。

「心配にならないか? 千鶴は恋とは無縁だったし、初めての恋に浮かれて周りが見えなくなりそうな気がして」

 本気で心配する零士君。でも、あれ? それってまるで文也に恋していた頃の私みたいじゃない?

「大丈夫だよ、千鶴ちゃんは私と違って人を見る目はしっかりしていると思うもの」

 そう言うと零士君はハッとなり、狼狽え出した。

「いや、違うんだ凛々子。決して凛々子がそうだったと言ったわけじゃなくてだな」

 必死に弁解する姿が可笑しくて、笑ってしまう。

「フフフ、大丈夫ちゃんとわかってるよ」

 零士君がわざと言ったわけではないって。

 すると零士君はホッと胸を撫で下ろした。
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