政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「でも本当に千鶴ちゃんはしっかりしているもの。きっと好きな人も素敵な人だと思うな。お兄ちゃんならそう信じてあげなくちゃ」

「そう、だな。そうだけど……でも、なぁ」

 私に言われても納得できていないようで、難しい顔で唸る零士君。

 妹の千鶴ちゃんに好きな人ができただけでこれなんだもの。もし将来、娘を授かったらどうなっちゃうんだろう。

 彼氏ができたなんてことになったら、大騒ぎしちゃいそう。

 まだ見ぬ未来を想像していると、零士君に頬を指でツンツンと突かれた。

「なにニヤニヤしてるの?」

「えっ? ニヤニヤしてた?」

「うん、してた。なにを考えていたの?」

 頬を突かれたまま零士君に聞かれ、さっき想像したことを伝えた。

「千鶴ちゃんの心配をする零士君を見て、もし子供ができて、その子が女の子だったら、必ず彼氏ができたって言われる未来がくるでしょ? その時になったら零士君、大騒ぎしちゃそうだなって思って」

 クスクスと笑いながら言うと、零士君は不満げ。
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