溺愛予告~御曹司の告白躱します~
その翌週の土曜日。
蓮も私もようやく仕事が落ち着き、爽くんから貰ったチケットをありがたく使わせてもらうことにした。
今までは基本近場で出かけてばかりだったので電車移動だったけど、水族館が隣県で車の方が早いからと、初めて蓮の運転する車に乗ることになった。
「なんか新車のにおいがする」
「あぁ。莉子と付き合いだしてすぐ買って、オプションとか色々こだわってたら先月ようやく納車された」
「え、そうなの?」
家まで迎えに来てくれた蓮の車は、本人と同じくスタイリッシュな黒のセダン。
高級外車だったらどうしようかと思ったが、国産車でホッとしてしまった。それでもオプション云々で色々お高いんでしょうけども。
「言っとくけど、自分の金だから」
「え?」
「お前のことだから、いかにも跡取り息子っぽい車とか親に与えられてんの好きじゃないだろ」
さすがにエスパー水瀬は鋭い。
御曹司感はなるべく排除する方向でお願いしたい。
根っから庶民の私には、あの高級タワーマンションに行くのもいまだに慣れないのだ。
その上、車まで空が飛べそうな宇宙船っぽいやつだったりしたら、居たたまれなさに溶けてしまいそう。