溺愛予告~御曹司の告白躱します~

現に今だって今夜の約束から逃げられるものなら逃げたいと思っているのだ。

それはきっと水瀬にも伝わっている。
だからこそこうして念を押しているんだろう。

水瀬とふたりで仕事帰りに食事することなんて今まで何度もあった。
それは私にとってとても楽しい時間で、ノー残業デーである水曜日を楽しみに思っていた。

だけど今は…。

【マジで話があるんだけど】

水瀬はそうメッセージで送ってきていた。
それがどんな話なのか。

出来れば聞きたくない。

そう思ってしまう。
頼りになる同期として、気のおけない男友達として、ずっとずっと付き合っていきたい相手。

だからどうか。
私が思っているような話じゃないといい。

そう願っている私の頭の中で、あの殴りたくなる顔のパンダがドヤ顔で笑っていた。




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