あの夢の続きをもう1度描けたら

怖いけど……ユキが、アランとユラハがいるなら、会いたい。


早くこの光が消える前に飛び込もう。

わたしは頭の中にあった邪推を全て放り投げて、トラオムへ駆けた。


空から落下するのは相変わらず。

でも魔法で安全に着地できる。


「ベニア・エドナデアティビ」


光のベールを生み出して、わたしを包ませるよう魔法を唱える。

わたしはいつもの森にやってきて、真っ先にユラハの家に向かった。


──わたしはふと思う。


そういえば、いつもユラハの家に行ってるけどふたりの家はどこなんだろう。

トラオムに行くことが増えたけど、アランとユキの家は知らないままだ。


──わたしはさらに疑問が増える。


こんなに長く通っているのに、家族についての話題が上がったことがない。

アランとユラハの家族とか、ユキとか……でもユキは母子家庭だったのを聞いた。

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