あの夢の続きをもう1度描けたら

お兄ちゃんのパンをラップにかけてから、もぐもぐとジャムパンを頬張る。


いつの間にか平らげたわたしは、そろそろ出発する時刻だということに気付いて急いで支度した。



***



柚子と楽しんだ休日の帰り。

今日も柚子の毒舌は強烈だったなあ、と思い出し笑いしている時だった。


家の庭の方からまた強烈な光が見えたのだ。

そして、お兄ちゃんがその光の中に飛び込んでいった。


「夢じゃなかった……?」


あの時の出来事が夢ではなく現実だということを知らしめる。

じゃあ、どこからが夢なんだろう。


わたしはその光があの異世界に連れて行ってくれることを知っている。

わたしは絶対に行きたくないと誓ったから普通に家に入ればいいものの、夢がどこからなのか、ユキ達のことが気になって仕方ない。


あの中に入れば、もう一度ユキ達に会える。

命の恩人とも言っても過言ではないユキ。

そんなユキへのお礼が言葉だけというのはあまりにも無礼ではないのか。

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