そして、僕がみえなくなったら

勇大side

「伊月、元気か?」

「勇大の方こそ」

「俺は元気だよ。この通り」

「それは何より」



照りつける太陽。

景色に透けて映る伊月の姿。


自販機に飲み物を買いに行った実和の後ろ姿を眺める伊月の横顔は、3年前と何も変わっていない。



「まさか本当に見えてたのは勇大のだったなんて」

「霊感強いんだよ、昔から」



伊月が死んでからずっと、俺には伊月が見えていた。


ずっと泣いてる実和の側にいたよな、お前は。



「実和、泣かなくなったね」

「お前のおかげだよ」

「………そっか」



寂しそうに笑う伊月に、胸が苦しくなる。






「だからさ、伊月」

「ん?」

「もう実和のこと心配してないで、生まれ変わって会いにこいよ」



透明なまま会うのは、俺だってもう嫌なんだ。



「…………勇大」

「ん?」





「生まれ変わった僕に実和を取られないように、さっさと告白しとけよ」




伊月の笑顔はいつだって眩しかった。









「うるせーよ」









早くお前に逢いたいと、思った。
< 20 / 20 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

今日は、近道して帰ろうか

総文字数/22,291

恋愛(純愛)45ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
夕焼けに染まる帰り道が 貴方と歩く帰り道が 永遠に続けばいいと 心のどこかで思っていた
初恋は報われないというけれど、

総文字数/12,696

恋愛(純愛)30ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
初恋は報われないというけれど、 どうやら私の二度目の恋も、 報われそうにありません。 *オススメ掲載していただけました* 見つけてくださった全ての方に 心から御礼申し上げます
もしもの話が嫌いな君は、

総文字数/15,856

恋愛(純愛)34ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「ねぇ、シナ。もしも、もしもさ」 ifの話をする私に、君はいつも呆れ顔で 「ねぇ、シナ。もしも、もしもね」 退屈そうに聞いていた。 ねぇ、シナ。 もしも、もしも…… 「私が明日いなくなったら、どうする?」 「そしたら俺は、**********」 そう言った君はやっぱり呆れ顔で。 君が好きだと、心が泣いた。 ※おまけだけ完結後に追加しました☺︎

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop