恋愛境界線
「情報流出させた人って、誰なのか判ったの?」
「結局、直接関わっていた人間が判らないまま、誰かしらに責任を負わせてその件は収めたみたいだな」
「その責任を取らされた人が、その件の担当者だったとしたら、今の私以上にやりきれないだろうなぁ」
いくら自分にも落ち度はあったとしても、他の人間に自分のアイディアを盗まれた上、落ち込む暇さえ与えられずに、その責任まで負わされるなんて――ホント、やり切れない。
けれど、それが会社という組織に属すということだと言われれば、それまでのことなんだけど。
「その犯人、ほんっと許せない!渚は、今回の犯人とその時の犯人は、同一人物だと思う?」
「うーん、流出先のライバル会社は前回と同じみたいだし、違うとは言い切れないかもな」
「もしかして、企業スパイがいるんじゃない!?」
「その割には、やることが小さい気もするけどな。それに、前回からの三年もの間は、何も起きてない」
それならば、一体、誰が何の目的で、あんなことをしているんだろう?