恋愛境界線

その辺をぶらつきながら、改めて、どうしようかと考える。


お金は持っているけれど、一人でご飯を食べる気にはなれない。


でも何となくお酒を飲みたい気分で、それなら――と、目の前にあるコンビニに入って、ブドウの缶チューハイを1缶だけ買った。


それを持って、歩道橋がある場所まで移動する。


車のライトで出来た光の川を見下ろしながら、買ったばかりのチューハイをゆっくり、ゆっくりと飲む。


特別綺麗なわけじゃないけれど、緩やかに流れる車の光から目が離せない。


こうしてただ眺めている間くらいは、課長のことも渚のことも考えなくて済むからで。


だけど、何も考えていないはずなのにまた静かに涙が溢れ出し、頬に一筋の跡を作った。


涙を拭おうとした手のひらに、ポツリと水滴が滴り落ちてくる。


一瞬、涙かと思ったそれは、涙じゃなくて雨粒だった。


薄暗い夜空を見上げれば、額や頬にもポツリ、ポツリ、と水滴が滴り落ちてくる。


< 434 / 621 >

この作品をシェア

pagetop