恋愛境界線

その先を口に出せずモゴモゴと言葉を濁していた私に、若宮課長が脱がせた理由を語ってくれた。


「酒に濡れた服のまま寝かせたら、私のベッドが汚れるし、酒臭くなるじゃないか」


「……はい?」


「本当に、何も覚えてないんだな」


呆れ交じりのため息と共に、刺す様に鋭い視線が投げつけられる。


「酔っ払って家の場所すら話してくれないから、仕方なくうちに連れてきた。そうしたら、君は勝手に人の家の冷蔵庫を開けてビールを飲み出した」


まさか!


「酔っ払っていた君は、ビールを飲もうとして胸元を盛大に濡らした。だから服を脱がせた。以上」


「じゃあ、何で一緒のベッドで寝てるんですか!ソファもあるでしょうに」


「何が、ソファもあるでしょうに、だ」


酔っていなくても厚かましい所は変わらないんだな君は、と吐き捨てる様に言ってくる。


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