恋愛境界線
「ソファにも君は酒を零した。ついでに言うと、うちには予備の布団も毛布もない。他にどこで寝ろと?」
普段、仕事をしている時以上に厳しい目を向けられ、布団から出していた顔を半分ほど布団の中に隠した。
寝起きだろうが、不機嫌だろうが、相変わらず嘘くさいくらいに整った顔をしていると思う。
若宮 馨
29歳という若さで課長という役職に就いていることからも、仕事に関してはやり手で、わが社において最年少で部長になる日もそう遠くないんじゃないかと噂されてい人物。
身長は多分170cm台前半くらいで、そんなに高いとは言えず、容姿に関して言うならば、良く言えば中性的。悪く言えば女顔。
その為、一見柔和に見えるのだけど、その外見を裏切って、言うことはとにかくキツイ。
それでも理不尽なことを言ったりするわけじゃないし、独身ということもあって、社内では女性から人気のある人だ。
仕事以外のことで口を聞いたことがない私が知っているのは、精々がこの程度。
きっと、今ここに居るのが私じゃなくて他の子だったのなら、この状況に舞い上がる人も少なくないはず。