期間限定恋人ごっこ【完】番外編
「あの2人マジでイケメンだった~」
「あれ、1人は期限彼氏で有名な北条誠人だよ」
誠人…?この近くにいたの?
何をしていたの?
彼の家は逆方向なのに。
それに期限彼氏って期間限定彼氏の略なのだろうか…すごいネーミングセンスだ。
あともう1人のイケメンって誰…?
少し、気になる。
「少し髪長くて金髪で不良っぽくてカッコよかった」
あぁ、絶対あいつだ。
言われなくても分かってしまうのはアイツと会ってしまったから。
記憶から消したはずなのに、いとも簡単に色々思い出させられた。
誠人とアイツは一体なんで2人きりだったの。
やっぱり誠人もゲーム?アイツと私を抱くことができれば1万円とか馬鹿な賭け事をしているの?
無理…信じられない、もう何も信じたくないよ。
私は目を閉じ、手で耳を塞いでこの世界からシャットアウトさせた。
気が付いたら家に着いていて部屋の中にいた。
ここまでどうやって帰ってきたかさえ覚えていない。
まぁ…いいや、どうでもいいもんね。
もうどうでもいい、奴のことなんて考えるだけ時間の無駄でしかない、そんな時間があるならさっさと寝て全て忘れたい。
そんなことできるはずもないのに…私はすべて忘れたくて…。
闇に落ちていくかのように。
静かに眠りについた。