期間限定恋人ごっこ【完】番外編


女の子たちは納得しない顔で眉間に皺を寄せながら去って行った。



それを2人で見て、姿が見えなくなったのを確認すると誠人は抱いていた手を放して「行くか」と先を歩き出した。



もう手さえ繋がないんだ。



寂しくなって行き場のない手を後ろで組んで誠人の後を追いかけた。



電車に乗って、また少し歩いて映画館に着くと誠人がチケットを買いにはなれたけど、何を見るか聞かされていない。



今やってる映画を確認すると恋愛もの、SF、アクション、ファンタジー、アニメと色々やってる。



その中で私が見たいと思う映画は____特にこれといったものはない。


強いて言うならアクションだろうか?


結局誠人おまかせで、戻ってきた誠人に何を見るのかを問うとアクション映画を見るらしい。


映画のタイトルは「DQ(ドリフト・クイーン)」でスピード、テクニック、ドリフトが全ての世界でカーレースだったり、盗みだったり、危ない組織に巻き込まれたり、FBIに追われたりと全てスピード勝負の世界。



上映時間まで、まだ少し時間があったためご飯を済ませてからにしようということになってパスタを食べようとなった。



誠人が選んだ店に入ると、とてもいい雰囲気で可愛らしい内装。

ピアノのメロディーが店内に響いてる。



「いらっしゃいませ。2名様ですか?」

「はい」




店員に案内され席に着くとメニューを差し出され、睨めっこをする彼。



「何食う?」

『誠人先に決めなよ』

「じゃあ俺はカルボナーラ」



カルボナーラとかなんか可愛い。



『クリーム系好きなんだ?』



そう問うと「まぁな」と答えて水を口に含ませ、ゴクリと飲んだと同時に綺麗な喉仏が震えて見すぎてしまった。


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