姉のカレシの、闇に溺れて



 友梨ちゃんから『紗和ー、おいで!』と呼ばれ二人に駆け寄る。



 話を聞く限り今日はお高そうな高級肉料理店で食事らしい。


 ……勢いで来たはイイけど、私の財布の中は3000円程しか入っていない。


 このおじさんに、見ず知らずの私の分まで払ってもらうワケにはいかない。


 3000円で足りる1品料理だけ頼もうと決意し、二人に並んでついていく途中、


「紗和!!」



 ――――誰かから名前を呼ばれ、腕を掴まれた為振り返る。


 息を切らしながら私の腕を掴んだその人は悠一さんだった。



 …………なんで。
 何でここに悠一さんがいるの?



「な、なんでここに…………」


「それはこっちのセリフ。その人は誰?」


「……………えっと」



 なんて答えよう、と、しどろもどろになっている私の間に友梨ちゃんがスッと入った。


「始めまして。紗和の友達の友梨です。この人は私のオジサンです。私と紗和に今から高級料理をご馳走してくれるんです」


「………………そっか。なら俺もイイかな? もちろん、俺の分と紗和の分はこっちで払うからお構いなく」


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