姉のカレシの、闇に溺れて




 チラッと検査薬に目を向ける。
 ――反応は出ていない。


 その後、5分。10分。30分。
 待てども待てども反応が出ることはなかった。


 安心してトイレの地べたに座り込む。


 良かった……
 本当に良かった。


 生理が来てないと分かって数日、本当に怖かった………


 ホッ、と深呼吸をする私とは反対に、悠一さんは「ちっ」と舌打ちをし検査薬を睨んでいる。



 ……検査をする為にホテルに連れ込まれたんだ。もう、ここに用はない。



 早く帰ってお姉ちゃんを別れるように説得させなきゃ…………嘘でもなんでもイイから、悠一さんのあることないこと話して分からせなきゃ。


「…………じゃ、帰―――『で、誰とヤッたって?』


 悠一さんは私がついた嘘を蒸し返すと、詰め寄るように聞いてきた。


 
 そうだった………


 私、悠一さんじゃない誰かとシたって嘘吐いたんだった……


< 98 / 271 >

この作品をシェア

pagetop