王女ちゃんの執事1『で・eye』加藤さん、きれいです。
唐突に立ち止まったおれの真横で町田もぴたっと足を止める。
実にもう腹の立つ、ごりっぱな反射神経だ。
「だったらな! おまえも聞けっ」
「…………」
「おれは! そういうことを簡単に言うやつが! ひとを殺すやつよりも! きらいだ!」
以上。
二度と話しかけんじゃねえ。
顔いっぱいにそう書いてガンにらみ。
少しはこたえたのか、表情をなくして突っ立っている町田を放置して歩き出すと、背後で不気味な音がした。
ごん ばきっ ごつ
「……っ……」
振り返るなと言っているのはきっと生存本能だ。
でも、それきり静かになった、ひと気のない薄暗い廊下で。
あきらかにデビルメイドなその音を無視して、振り返らずにいるには、おれの理性は弱すぎた。
「――――ひっ」
そして当然いつだって、ちゃちな理性より本能のほうが正しいんだ。
実にもう腹の立つ、ごりっぱな反射神経だ。
「だったらな! おまえも聞けっ」
「…………」
「おれは! そういうことを簡単に言うやつが! ひとを殺すやつよりも! きらいだ!」
以上。
二度と話しかけんじゃねえ。
顔いっぱいにそう書いてガンにらみ。
少しはこたえたのか、表情をなくして突っ立っている町田を放置して歩き出すと、背後で不気味な音がした。
ごん ばきっ ごつ
「……っ……」
振り返るなと言っているのはきっと生存本能だ。
でも、それきり静かになった、ひと気のない薄暗い廊下で。
あきらかにデビルメイドなその音を無視して、振り返らずにいるには、おれの理性は弱すぎた。
「――――ひっ」
そして当然いつだって、ちゃちな理性より本能のほうが正しいんだ。