狼男


「ちょ・・何か情報くださいよ~。」


「記者クラブへは広報官より情報を出しますので。」


「どうせ大した餌はくれないんでしょう?
持ちつ持たれつでお願いしますよ~。」


「・・・じゃあ一つだけ。」


「お!」


「山田の昨日の夜飯は恐らく親子丼。」


「あちゃ~・・ま~たあの小僧吐いたんですか?」


「じゃあそういう事で。」




適当に流した所で捜査本部の会議室へ。


そこでは既に鮫島さんが腕組みをしてホワイトボードと睨めっこをしていた。



「おはようございます。」


「おはよう。」


「何を見てたんですか?」


「被害者同士の繋がりが何か無いかと思ってな。」


「・・・パッと分かっている共通点は、

一軒家に住んでいて、
小学生~中学生の子供が居て・・。」


「全員、誰かに恨まれるようなタイプではないって所かな。」


「昨日の検分で、“現場”の共通点も一つ見つけました。」


「なんだ?」


「3件とも鍵をこじ開けたような痕跡はありませんでした。

でも無施錠だったとは考えにくいので、犯人はどうやって家に侵入したのか・・。」

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